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眼瞼下垂(がんけんかすい)の腱膜固定術(けんまくこていじゅつ)

眼瞼下垂(がんけんかすい)の腱膜固定術(けんまくこていじゅつ)

眼瞼下垂は、肩こりや頭痛の原因

上まぶたが下がってくる眼瞼下垂は、45歳を過ぎるころから多くの人に現れます。視界が狭くなり、無意識のうちに目を大きく見開くため、まゆが上がってきて、二重のラインも乱れます。

まぶたの裏側には目を守る硬い瞼板(けんばん)があり、腱膜で密着した眼瞼挙筋が上げ下げをしています。加齢の影響や、コンタクトレンズによる刺激、アレルギーで目をこすることなどで、腱膜がゆるみ瞼板との間で滑ると、まぶたが上がりにくくなります。これが眼瞼下垂です。

眼瞼下垂は、単に視野や美容の問題ではありません。肩こりや頭痛のほか、不安感や憂うつな気分など脳の働きにも関係しています。まぶたを上げる動きは、脳の前頭前野という意識の覚せいに関係する部位とつながっています。ですから、頭をすっきりさせるため、目を見開いたり、目をこすったりする動作をします。

このように、まぶたは脳のスイッチなのです。

眼瞼下垂があると、スイッチを入れるために、まゆをつり上げる必要があり、そのために頭部の筋肉が収縮します。これが、肩こりや緊張型頭痛の原因になるのです。

また、眼瞼挙筋の働きが弱まると、そこにつながるミューラー筋という別の筋肉が収縮します。これが自律神経の交感神経を刺激して、自律神経のバランスを崩します。更年期障害にも、眼瞼下垂と関係したものがあります。


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腱膜固定術(けんまくこていじゅつ)

治療では、まぶたを切開し、腱膜の一部である眼窩隔膜(がんかかくまく)を引っぱって瞼板に3か所で縫いつけます。これにより、自然にまぶたが上がるようになります。

手術は両目を合わせて、一時間程度で終了します。日帰りも可能ですが、手術後の出血の危険がある場合は入院して行います。

従来、眼瞼下垂の手術は、伸びた眼瞼挙筋をミューラー筋ごと短く切除して、瞼板に縫いつけていました。これは目が閉じなくなる危険があり、まぶたを上げる効果も小さかったです。腱膜固定術の方が、安全で確実です。この手術を実施する医療機関は、大学の形成外科を中心に増えています。

目がくっきりしたり、左右のバランスが変化したりすることで、表情が変わることもあります。肩こりが楽になるなどの効果には、個人差があります。

眼科と形成外科

まぶたが垂れてくることから、伸びた眼瞼挙筋などを切除して単純に縫い合わせる治療は、眼科で行われてきました。ところが、効果は少なく、まぶたが閉じなくなる失敗例もありました。これに対し、腱膜固定術は、傷の修復などを専門にする形成外科が考案した方法です。


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関係医療機関 信州大病院形成外科

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