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下肢静脈瘤レーザー治療

下肢静脈瘤レーザー治療

下肢静脈瘤

足の静脈の血液の逆流を防ぐ弁が壊れ、血流が滞って血管に膨らみができ、だるさやかゆみなどの症状を引き起こすのが下肢静脈瘤です。治療に伴う傷痕や出血が少なくて済む下肢静脈瘤のレーザー治療の一部が、2011年から保険適用となりました。

日本静脈学会理事長で、茨城県守谷市にある慶友会つくば血管センター長の岩井武尚さんによりますと、心臓から全身に送り出された血液を再び心臓に戻す静脈には、血液の逆流を防ぐための弁が多数ありますが、下肢静脈瘤の多くは、足の浅いところを通る表在静脈のうち、最も長くて太い大伏在静脈にできやすいとのことです。

高齢になるほど患者さんは増え、立ち仕事の多い人や、腹部の静脈が圧迫される妊婦などに目立ちます。詳しい原因は不明ですが、弁が壊れる原因には歯周病菌が関係しているのではないかとの説もあります。

立ち仕事の多い人は、足踏みをして血流を良くすることが予防や悪化防止につながるほか、静脈瘤ができないよう弾力で足を締め付ける専用ストッキングもあります。

血管がモコモコと膨らんで見えるため、特に女性は外見上の悩みも大きいです。自然に治ることはなく、重症化すると静脈瘤のある部分の皮膚が黒ずんだり、湿疹や潰瘍ができたりします。


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下肢静脈瘤の従来の治療方法

従来行われてきた治療は、ストリッピング手術です。静脈瘤ができた血管の内部に針金のような器具を入れ、静脈ごと引き抜きます。全身麻酔や局所麻酔による入院が基本です。日帰り手術を行うクリニックも増えています。

足の血液の90%以上は元々、深い部分を通る深部静脈を通っています。ストリッピング手術で表在静脈の一部を取り去っても、その分の血流は深部静脈を流れるため、健康に影響はありません。

1990年代からは、静脈瘤に、血管を内側から固める薬(硬化剤)を注射し、皮膚の上から圧迫してつぶす硬化療法が広がりました。

通院で受けられますが、つぶした皮膚の部分が黒くなる色素沈着が起きやすく、瘤が大きいと痛みも強く、再発も多いいです。ただし「高齢者の場合は、大がかりな治療は受けず、硬化療法で十分という人も多いいです」と岩井さんは話します。

傷痕の少ないレーザー治療

レーザー治療は、局所麻酔で、レーザーを発する細い管を静脈内に通し、内側から焼いて閉塞させます。出血や傷痕は少なく、日帰りも可能です。

保険外治療では、片方の足で20万~30万円程度かかりますが、2011年1月、1種類の機器が保険で認められました。自己負担3割なら5万円程度ですみます。

慈恵医大血管外科教授の大木隆生さんらは5月から、「銀座七丁目クリニック」(東京)で、レーザーを中心にした下肢静脈瘤の治療を始めました。レーザー治療で逆流をなくし、目立つ静脈瘤は皮膚を少し切って除去します。大体1時間程度で終わります。血管が太過ぎる場合は焼き切れず、レーザー治療は適さないです。

大木さんは「レーザー治療を受ける際も、他の治療法の経験があり、病気をよく理解している医師が望ましいです。保険がきく機種かどうかも事前に確認しておくべきです」と話しています。


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関係医療機関

慶友会つくば血管センター

銀座七丁目クリニック

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