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皮膚がんに進行する日光角化症(にっこうかくかしょう)

皮膚がんに進行する日光角化症(にっこうかくかしょう)

日光角化症の症状

日光角化症はまだ、がんとは言えないものの、そのまま放っておくと皮膚がんに進行する可能性があります。

NTT東日本関東病院皮膚科を受診した85才の女性(85)の場合。右ほほ、目の下あたりに、やや黄色みがかったマメのようなできものが、皮膚から吹き出しているようにも見えます。できものの周りの皮膚は、少し赤みを帯びていました。医師の診断は、日光角化症でした。

患者さんは中高年が多く、日光の紫外線を長期間浴びることが主な原因とされます。顔面や手の甲、うなじなど日光に強くさらされる部位にできやすいです。放置しておくと、まれに皮膚がんの一種、有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がんに変わることがあります。

基本的な症状は、1センチから数センチ程度の皮膚表面の赤っぽい「がさつき」です。それに加えて、表面の角質が、黄色っぽいかさぶた状になったり、硬い角のような「皮角」(ひかく)になったりすることもあります。


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日光角化症の原因

この女性のマメのような硬いできものも、日光角化症に伴ってできた皮角でした。女性は、「若いころ屋外で日光に当たりすぎたせいかもしれないです」と話しています。10年以上前、左ほおにも同じような症状が出て、別の病院で切除したことがありました。

「悪化するとがんになりますが、表面にとどまっているうちは心配はありません」と医師から説明をうけていました。

同病院皮膚科医長の出月健夫さんは「日光角化症は、皮膚がんに発展するともいわれますが、症状の進行はゆっくりです。きちんと治療をすれば大丈夫です」と説明します。

有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がん

皮膚がんと言えば、ホクロと間違われやすいメラノーマ(悪性黒色腫)のように黒っぽいタイプがよく知られていますが、有棘細胞がんは、皮膚が赤くただれたようになり、出血しやすいです。皮膚がんの中では日光紫外線との関連が最も強いとされています。

日光角化症から有棘細胞がんに変化した場合、患部の皮膚が盛り上がり、ぐじゅぐじゅした状態になり、表皮よりも下に入り込んでいきます。

ボーエン病

日光角化症と同様に、有棘細胞がんに変わる可能性がある皮膚の症状にボーエン病があります。ボーエンは発見者の名前です。隆起が少ない不規則な形の発疹で、四肢や胸、背中などにできやすいです。

治療法は、皮膚がんと同様、どちらも基本的には切除手術ですが、細かいものが多発している場合は、炭酸ガスレーザーで焼き切ることもあります。病変部を取り除けば完治します。


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関係医療機関

NTT東日本関東病院皮膚科

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